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Un Français sent 〜 フランスの匂い 〜  4

【チュイルリー公園にて】

ルーヴル美術館を出て、丁度お昼の時間だったので、美術館の前にあるチュイルリー公園でランチをすることにした私たち、
木陰のベンチに座り場所を確保、「ふぅ」っと一息ついた時、目の前にある『Paul』というサンドウィッチを売っているワゴンを見つけ、本場バケットサンドを食べようとお店を物色するも、サンドウィッチの大きさに圧倒され、おそらく食べきれないと断念。
日本から持って来ていたおにぎりがあることを思い出し、ひとまず空腹を満たそうとおにぎりでランチ。
さわさわと風に揺れる木の下で、フランス初のランチはおにぎり。
何か黒いものを頬張る東洋人に、行き交う現地の人々の視線が集まる。
「やっぱり珍しいのかな。」
と、母と笑いながら、素敵な景色を見ながらのおにぎりは、食べ慣れたものでも、格別なおいしさ。
それにしても、人がたくさんのこの公園、地元パリの人たちは、休日になると家族や、恋人と、または一人でとにかくよく公園を訪れるそうです。
たしかに広くて、美しい景色が広がるこんな公園が近くにあったら、別段遠くへでかけなくても、十分リフレッシュできると思いました。

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サンドウィッチを売っているお店『paul』



公園内には、小さな遊園地もカフェもあり、そこだけで楽しめるようになっています。
おにぎりで軽く腹ごしらえをした私たちは、広大な公園を横切り、オランジュリー美術館を目指します。
歩いていると、途中でカフェを見つけました。オープンエアーでお天気もよく、気持ちがよさそうなので、お茶をしていくことに。
カフェの国フランスで、カフェクレームを飲もうと思いつつ、周りの地元の人たちがおいしそうにビールやシャンパンを飲んでいるのを見て、私もシャンパンをオーダー。
フランスはシャンパンの国だからと自分で納得をして、おいしいシャンパンをいただきました。本場のシャンパンは驚くほど安く、そして美味しい!
シャンパングラスの中の泡が光を受けキラキラと奇麗にあがっていくのを見ていると、なんとも幸せな気持ちになります。
クレープも注文をしたのですが、こちらも本場、とても美味しかった。

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カフェ


ゆったりとした時間を過ごし、いつまでもここにいたい気持ちを押さえつつ、カフェの素敵なボーギャルソンにお支払いをして、美術館へ出発。
低木の続く公園の片隅で、ベンチに座って仲良く肩を組んでいる三姉妹とお父さん、お母さんの家族を見つけ、その後ろ姿が、なんとも印象的で、写真を撮ってしまいました。
きっと、仲が良い、幸せな家族なんだろうなぁと、私も三姉妹で、日本にいる妹達を少し思い出しました。

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旅の思い出の中でも、最も印象に残っているといってもいいくらい素敵なシーンでした。



【オランジュリー美術館】

別名『モネ美術館』とも呼ばれる、『オランジュリー美術館』に到着。
午前中は団体客優先と聞いていたので、この時間にくるようにしたのだけれど、入り口での厳重なセキュリティーチェックを受けるため、すぐに入館できず、しばらく並ぶ。
ルーヴルでもそうだったけれど、この国は美術館に入るとき、必ずセキュリティーチェックを受ける、我が国、日本との芸術作品に対する価値観の違いを実感。
チケットを買い、中に入ると、『睡蓮の間』がある。
モネの名画『睡蓮』が、円形の部屋に展示され、360度パノラマで見られるので、真ん中にある椅子に座っていると、いつしか睡蓮の咲く池のほとりにいるような錯覚に陥ります。
壁が白いのは、天井からさしこむ光の具合によって、絵画が時間によって、表情を変えてみえるように考えられているからだそうで、私が見た、午後の光の中では、睡蓮は生き生きと生命のエネルギーに満ちあふれているように感じられました。
奥の部屋へ進むと、『睡蓮』の横に座っている美術館員の美しい少女をみつけました。
『睡蓮』と美しい横顔が、絵画のように印象的な場面として、私の思い出の中に残っています。
長い時間、睡蓮の間で時間を過ごし、地下で『HENRI-JULIEN』という今まで知らなかったけれど、一目で大好きになってしまった画家の絵に出会い、大きくはないものの充実した作品をそろえている『オランジュリー美術館』に大満足。じんわり、じんわりと込み上げてくる静かな感動が、ずっと続いている気持ちで外にでました。

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オランジュリー美術館


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美しい絵画と美しい横顔



美術館がセーヌ河のほとりに位置しているので、ホテルに戻る前にセーヌ河のベンチで
休憩しようと歩き出すと、スイスから来たというおじいさんに声をかけられる。
「日本人を初めて見て嬉しかった!」
ということで、母と私と3人でオルセー美術館に一緒に行こうといってくださったのだけれど、今日は早めにホテルに戻ろうという予定だったので、お断りをする。
記念写真を撮って、さよならした。
初めてみるセーヌ河の景色は、映画で何度も見ていて、わたしの憧れの景色の一つ。ベンチに座って本を読むパリジャン、肩を並べて楽しそうにおしゃべりしている恋人たち、日常のワンシーンであろうその景色が全部「絵」になってしまうのがパリマジック!セーヌ河からホテルに向かう途中、コンコルド広場で見かけた老夫婦、私もいつかあの夫婦のような年齢になったら、人生の伴侶と一緒にパリに来たい、と思いました。
パリは大人が似合う街、だと思うのです。

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エッフェル塔

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セーヌのほとりで

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コンコルド広場。石像が今にも動きだしそうな雰囲気



【牡蠣とシャンパン】

ぐるりとパリを一周歩いてホテルに着いた私たち、本当に良く歩いたので、早めに夕食をとり、ゆっくり眠ろうと少し休憩をしてディナーへ向かう。
旅に出発する前、あまり予定を決めずにパリに来てからふらりと気の向くままに行動しようと思っていたので、レストランの予約もとっていませんでした。
私たちが宿泊していたホテルから一本向こう側の道に偶然見つけたレストランがあり、昨夜ホテルの周りをお散歩していた時に店先に新鮮な魚介が並んでいたのを見て、
「きっとシーフードレストランだわ!」
と気に留めていたレストランに行く事にしました。
偶然見つけたレストランでしたが、私たちが行った時にはほぼ満席、地元の人たちで賑わっていました。
新鮮なシーフードが楽しめる、老舗のレストランで、店内も素敵な内装で、そうとう古くからあるだろうと思われる建物を大切に受け継いで来たのだなぁと見てとれるお店。
何を頼んでいいかわからない私は、ちらりとお隣の席を見てみた。牡蠣や蟹、海老がものすごく大きなお皿に盛られたものを食べていて、
「フランスに来たら、牡蠣とシャンパン!」
と思っていたので、お隣と同じものをオーダー。
美味しい牡蠣や蟹をいただいて、ディナーを堪能した私たち。
とにかく、パリはワインとシャンパンが安いので、ホテルが近いのを良い事におしゃべりとお酒に花を咲かせる女二人。
「今日は早めに眠ろう。」
と言っていたのに、店内に流れるシャンソンの名曲を聞きながら、夜更けまで飲み続けた私たちなのでした。



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シーフードのおいしいお店『 La Taverne 』
by nanayecao | 2009-03-07 19:54 |
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