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Un Français sent 〜 フランスの匂い 〜  7 ( モンサンミッシェル 後編 )

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教会のてっぺんには金色に輝く大天使ミカエルがいました。

急な坂を上り、サンピエール教会を見て、修道院へ到着。
8世紀に建てられた修道院は、歴史的背景により何度か改築されているので、ゴシックとロマネスク様式が入り混じった建物で、そこには大天使ミカエル像が建っている。
聞くところによると、大天使ミカエルは「最後の審判」の時天国へ行くか地獄へ行くかを決める権限を持った大天使で、私は心の中で、
「その時は、お願いします。。。」
と繰り返し、祈ってしまった。
大天使ミカエルが金色に輝いて、静かに私たちを見つめていたが、その顔はかすかに笑っているように見えた。
ミカエルの像を見た後、私はとある彫刻に目を奪われた。その表情が、苦しみとも、悲しみとも、慈悲とも言えず、何だか目が離せなくなってしまった。
こういう所にある彫刻はだいたい穏やかな慈悲に溢れた笑みを浮かべている表情か、逆に罪から逃れる人々や、何かを懇願するような表情のものが多いのだけれど、この彫刻は今まで私がみた事のない表情で、切なくなってしまった。

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色々な国の人と説明を聞く。


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なぜか、目を奪われた、石像。長く足を止めて見入ってしまった。



その像に後ろ髪をひかれる気持ちで、修道院を後にし、中庭や、かつて食料を運ぶ為に囚人に引かせていたという人力車輪、食堂などを見て、島の入り口へ戻る。
見学中、デジタルカメラの充電器を日本に忘れて来てしまったという先ほど仲良くなったカップルの記念写真を撮ったりしながら、一緒に散策していたので、すっかり仲良くなった私たち、
「パリで飲もうよ!」
ということになり、パリに着いたら一緒にディナーをすることになった。


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修道院の中庭、ここで薬草などが栽培され、お薬や、化粧品になるそうです。

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修道院のステンドグラス。修道院なので、イタリアの教会などにある絢爛豪華なものではなく、質素で美しいもの。

島に到着した時は干潮だったけれど、帰る頃には潮が満ちて、周りは海に囲まれていた。
「生涯に一度!」
の夢が実現して大満足でした。


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名残惜しく、いつまでもバスの中から眺めていた。


バスに乗り、再びパリへ。
島から本土へ向かう道路の途中で、小さくなっていくモンサンミッシェルをいつまでも見ていた。
帰りのバスで、携帯電話から日本に居る大切な人たちに写真付きでメールをした。
この感動が時と供に色あせたり、カタチを変える前に、そのままで伝えたかったから。
帰りのバスでは、もうぐっすりで、1時間くらいで着いたように短く感じた。
夜9:00近くというのに、パリは夕暮れの一番美しい時を迎えていて、
エッフェル塔、セーヌ河は金色にきらきらしていて、河を渡る船や、橋で寄り添う恋人達、夕日が映す凱旋門のシルエットを見ていたら、
「これが本当にパリなんだ!」
と、パリの美しさは日常の中にあるんだなぁと心から思って、
観光客である私を少しだけパリが受け入れてくれた気がしました。


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夕焼けに映える、エッフェル塔



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解散した場所の近くのお店の看板犬。私も実家でダルメシアンを飼っているので。


朝、集合した場所で解散した私たちは、ツアーで知り合ったカップルと、チュイルリー公園にほど近いカフェでディナーをした。
お酒に強い彼女と、お酒は強くないけれど、楽しいから飲んでしまった彼、昔から知っている物同士のようにお互いの話をたくさんして、日本に帰ってもまた会おうと約束するくらい仲良くなれ、素晴らしい時間を過ごすことが出来ました。
「旅の醍醐味は出会いだ。」
と私は思っています。日本では出会う事がなかったかもしれない人と、遥か何千キロも離れた異国で偶然出会い、時間や思い出を共有する。
そして、そういう出会いは私の人生の財産になる。お金では買えない尊いもの。
「また日本でね!」
と手を振りとても楽しい気持ちでお別れをした。
おいしいシャンパンとワインをたくさんいただき、良い気分の私と母は、
タクシーに乗らずホテルまでパリの街を千鳥足で歩いた。
光輝く街並、美しい景色を見ながら、母と娘、二人でぐんぐん、腕を組んで歩いた。
どこまでも行けそうな気がした。
あと何回こういう機会に恵まれるだろうと思いながら。
ホテルに到着した私たちは、早朝からの1日の小旅行の美しい思い出を胸に、
言うまでもなくベッドに倒れ込んだのでした。。。


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すごく「いい顔」の二人。モンサンミッシェルで出会った二人です。
by nanayecao | 2009-08-12 19:41 |
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