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Un Français sent 〜 フランスの匂い 〜  最終章

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フランスにいた間、毎日見ていた大好きだったホテルの窓からの景色

【 さよなら、フランス 】
朝、1週間お世話になった、パリのホテルをチェックアウトした。最初は愛想の悪かった朝食のレストランのギャルソンも、
「寂しくなるね!」
とおでこにキスしてくれた。フロントのみんなも、
「私たちのホテルに滞在してくれてありがとう!またきてください。」
といってくれた。
ドアマンのおじさんも
「おじょうちゃん、またね。」
と。(ずっと誤解しているけれど、私はおじょうちゃんではないの。)

タクシーにのり、シャルルドゴール空港へ。車の窓から見える景色が流れて行く、たった10日程の旅だったのに、もうパリが異国とは思えないくらいになっていた。

タクシーのお兄さんが最後に
「Von Voyage」
と送りだしてくれた。
「良い旅を。」
とても良い言葉。帰りの飛行機で何度も、何度も思い出していた。

帰りの飛行機で、長い夢を見ていました。
フランスに着いてから、帰りの飛行機に乗るまでの場面が、ところどころフラッシュバックのように映る夢。
1日1日が強烈に記憶に残る10日間で、毎日どきどきしていたフランス。
この旅行記の最初に書いたけれど、今回の旅は「覚醒」の旅。
私の中で眠っていた何かが、目覚め、動き出した気がします。

2008年の7月に行ったフランスの旅のお話は、これでおしまい。
旅から戻って、この旅行記を書き終えるまでに、約1年2ヶ月が過ぎてしまいました。
単純に忙しかった、というだけではなく、振り返り、整理するのにこれほど時間がかかるくらい、私にとって思い出深い旅だったのです。
ここで書ききれなかった、色々な気持ちは、また歌にして、写真にして、言葉にして。
何かに姿を変えて届けていけたらいいなぁと思っています。
毎年行くマレーシア、ランカウイ島が安らぎで帰る場所ならば、フランスは私にとって、いつも心のどこかにそっとあって、時々思い出すと胸が苦しくなる「恋」に似た場所なのかもしれません。
 旅に出て日常と全く別の環境、場所に身を置くと、逆に「日常」を客観的に見る事が出来る気がします。
そして、自分にとって大切な人、時間、出来事は実は日常の中にあって、日常の愛おしさを改めて確認できるのも、私にとって旅にでることの大きな意味の一つでもあるのだと思います。
そして最近、「日常」「人生」そのものが、なんだか「旅」のような気がしているのです。

「Von Voyage」みなさんも、良い旅を。

2009年10月末日 Cao
by nanayecao | 2009-10-31 22:48 |
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