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端境期

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2007年11月にマレーシアクアラルンプール国立博物館での印象的な一枚。
お掃除をしている女性が居眠りをしていたのだけど、
私にはお祈りのように見えた。
眠った顔が慈悲深い表情だったからかもしれない。
私の中にある、旅の思い出や、忘れられない景色を
そろそろカタチにする時期が来たのだと感じています。





昨年、雑誌「Veggy STEADY GO!」の取材でお邪魔した
「ポランの広場」のオーナー宮澤さんが
取材前に資料としてくださった「やさしいごはんやさしいくらし」
というフリーペーパーの中に
「端境期」という言葉があり、とても印象に残っています。

「はざかいき」、辞書で調べると

•前年産の米に代わって新米が出回る前の頃。九、一〇月頃。また、一般に農産物や商品の新旧交替期で、品薄になる時期。(大辞林)

•端境の時期。また一般に、物事の入れ替わりの時期。「―で在庫が品薄になる」(大辞泉)

という意味らしく、ポランの宮澤さんはお野菜の「端境期」を干し野菜を使用したりと
その時期の乗り越え方を書かれていた。

でも、なぜか私は宮澤さんの清新な感性で書かれた豊潤な文章からなのか、
時々姿を見せる私の思い込みの強さからなのか、
「端境期」

「ないものを手に入れようとするのではなく、知恵を使い、あるものを大切に、活かして凌ぐ」
というような良い言葉として頭と心にインプットされてしまった。

本誌で私も書いたのですが、
ポランの広場さんは元々「このお料理を作るため」に「材料を調達する」
というお料理の仕方をしません。
畑から届く、旬の中でも最も旬なお野菜を
一番美味しい方法で引き出すメニューを考えてお料理される。
その精神が、書かれてはいないけれど、宮澤さんの文章の中に自然に込められているかもしれないからかな、と感じます。

そんな訳で、辞書とはちょっと差異がありますが、
私の中で物質的にも、気持ち的にも何かしら
「足りないなぁ。」
と感じるとき、この言葉を想いだすようになりました。

それは、自分の中にある思い出や
自分を取り巻く環境や
人。
「大切なもの」をこんなにもたくさん持っているんだと
改めて自分を見直して、元気で幸せな気持ちにしてくれる
魔法の言葉のようだと思うからです。

先日の日記で、少し沈んでいると書きましたが、
そんな時にふっと思いだしたこの言葉。

「端境期」は、「物事の入れ替わりの時期」。
今、私自身の「入れ替わりの時期」
なのかもしれません。
by nanayecao | 2011-03-05 09:13
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