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Un Français sent 〜 フランスの匂い 〜  9

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フランス映画でおなじみ、モンパルナスの駅


【 中世の街、ロワールへ 】
ホテルに荷物を預け、今日から1泊二日の旅へ出かける。中世ヨーロッパの街並を色濃く残すロワールへ。
今回の旅の一番の目的は、ロワール河を見下ろす丘の上にある美術館「HALL au GLAINS」で開催される「Festival D’Art」に私の作品が出展されるため、オープニングセレモニーに出席することでした。
 もうすっかり顔なじみになったホテルのドアマンのギャルソンにスーツケース二つを預け、大きめのバッグに着替えをつめ、モンパルナスの駅までタクシーを飛ばした。

モンパルナスの駅からTGVで約1時間、「TOUR」という駅で在来線に乗り換え約40分、めざすロワール地方「BLOA」がある。
初めてのフランスで初めての一泊旅行、少し緊張しながらも、モンパルナスの駅で無事TGVに乗る。
フランス映画が大好きな私にはモンパルナスの駅はおなじみの景色、色々な映画のシーンで何度も見たので、ちょっとしたデジャブのような錯覚に陥る。
TGVで30分も行くと見渡す限りの向日葵畑が姿を現し、感動する。
昔見たイタリアの映画「ひまわり」の画面いっぱいの向日葵畑をふっと思い出す。
その頃は、「ひまわり」の映画の意味がよくわからず、退屈で仕方がなかったけれど、その頃より少し大人になった今なら、また感じるところがあるかもしれない、と思う。
TGVは「TOUR」へ到着、まずは、在来線の「ブロア」行きの切符を買いにいく。
いつも旅行にいく度、言葉も通じないのに、
「なんとかなるだろう。」
と思う自分に驚く、そして今まで本当にそれでなんとかなってきた。
今回の旅でも、またその場面が訪れた。
フランス語が解らないのに、「ブロア」行きの切符がよく買えたと思う。
待ち時間が1時間程あったので、駅のそばにあったカフェでお茶を飲みながら時間を過ごす。
そのカフェが、ちょっとだけ寂れていて、いつか映画でみた場面のようで、ますます旅の気分を盛り上げてくれる。

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TOUR駅


 電車の時間が来たので、ホームへ移動、在来線に乗りブロアへ。
電車に乗り、30分くらいしたあたりで、大きな河が見えた、
「これがロワール河だ!」
そして、その河のほとりには絵に描いたような古城が建っている。日本では決して見られない景色に
「随分遠くへきたなぁ。」
と改めて思う。
ほどなくして、電車は「ブロア」に到着した。チェックインするまでに随分時間があるので、「ブロア城」を見に行く事にする。
まずは腹ごしらえということで、駅に隣接しているカフェで、オムレツとサラダのランチをした。
「TOUR」では曇っていたのだけど、こちらに着いたあたりからお天気に恵まれ、吸い込まれるように澄んだ青い空に、カフェの白いパラソルが映えて、ここでいただいたサラダもとても美味しくて、特に何をした訳でもないのだけれど、記憶に残っている場面。

 何となく、歩き始めた私たちは、駅で見た地図だけを頼りに、「ブロア城」を目指す。街はとても静かで、観光地であるのに車の通りも少なく、のんびりした雰囲気。
10分ほど歩くと公園に着いた、鮮やかな山吹色の花が咲き、空はどこまでも青く、気持ちのいい風が吹いている。芝生に腰をおろして、しばらくぼんやりとする。
忙しい日常を離れ、旅をすると時間の流れを肌で感じる。
刻む時の長さは同じなはずなのに、なぜかいつも違うように感じるのは自分の時間軸のせいなのだと気がつく。
 いつまでもいたいような気持ちの中、目指す「ブロア城」に向けて再び歩き始めた。
しばらく歩くと、前方にお城の外壁が見えて来た、と思ったら、突然車の通りが多い道路へ出た、そして同じく人もたくさんいる。
外壁沿いに坂をあがると、ブロア城の正面に出た。
ブロア城は14世紀〜17世紀に渡り10世代の王族が暮らしたお城で、ゴシック、フランボワイアン、ルネッサンス、古典様式の4種類の異なる建築様式による館群。
 入り口でチケットを買って中庭にでると、思い描いていた中世ヨーロッパのお城が姿を現し、感動でしばし見とれる。

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「ブロア城」

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館内を一周し、少し歩くと礼拝堂があり、光を通したステンドグラスの美しさに、目を細める。しばらくその厳粛な空気の中に身を置き、何だか浄化された気持ちになる。

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しばしその美しさに見とれた、礼拝堂のステンドグラス越しの光

 礼拝堂をでると坂の上に大きな木があり、とても気持ちよさそうなので、木陰で休憩をしようと、坂を上がる。
上りつめた坂の上には息をのむ美しいロワール河の景色。
「いったい、いつの時代なのだろう?」
とタイムトリップしたような錯覚に陥る、このロワールの景色。随分長い間、そこからの景色を眺めていた。


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タイムトリップした錯覚に陥る、ロワール河の景色

 お城を出て、脇にあるお土産屋さんを見て回る。お土産屋さんの店構えや、街並がかわいくて、写真をたくさん撮りました。

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街並み


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お土産やさん、ポストカードに出てくるみたいにかわいい店構え。


 「ブロア城」を堪能し、ブロア駅を目指し来た道を戻り、途中、行きに休憩した公園にも寄り、駅へ到着。タクシーに乗って、本日の宿へ向かう。
駅から10分ほど小高い丘をのぼったところにホテルはあって、そしてそのホテルの道を挟んだ向かい側に今回の旅の目的である展示会場「HALL au GLAINS」があった。

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展示会場

この地方は避暑地なのか、バカンス時期には人がたくさん集まるといってきたが、バカンスには少し早いこの時期、本当に人通りがなく、街全体の時間が止まっているように思える。
とても、とても静かで、ちょっと寂しい印象。
 ホテルでチェックインをすませ、オープニングセレモニー用に用意したドレスに着替えた。初めての経験で緊張する。
 セレモニーの時間が近づいてきたので、会場へ向かった。
約1年前、マレーシアはクアラルンプールの空港で開催された展示会でお世話になったスタッフさんが、入り口で出迎えてくれた。そして、セレモニーの会場へ。
会場はオペラホールで、開会のあいさつ、日仏交友イベントへと続く。
イベントで一番感動したのは生でシャンソンを聴けたこと。歌はドラマだと改めて思った。
 セレモニーを終えて、本場フレンチスタイルの会食が始まった。美味しいシャンパン、オードブル、なんだか少し場違いなような気恥ずかしい気持ちと、普段、出会うことのないフランスのアーティストさん方とお話ができて嬉しい気持ちとで、なんだか現実の事と思えない。
そして、展示会に出展させていただくたびに、自分の至らなさを知る。
 お酒が入って、良い気分でホテルに戻り、周りに何もないので、ホテルのレストランでディナーをとる。レストランも私たち以外にもう一組がいるだけでチェックインした時と同じ閑散とした印象。
それでも、さすが、ホテルのレストラン、お料理もシャンパンもとても美味しく、夢のような夜そのままに、緊張も少しあったのか、部屋にもどりそのまま眠りにつきました。


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# by nanayecao | 2009-10-31 22:31 |

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【 HOTEL COSTE 】

今日は午後ゆっくり時間をかけて左岸にある「オルセー美術館」を見ようということになっていた。
いつも通り、ホテルの1階にあるカフェでゆっくりの朝食をとり、紅茶を飲んでいると、このお店をまかされているらしき素敵なギャルソンが
「ボンジュール、マドモワゼル」
とウインクしてくれた。
同じホテルに滞在しているので毎朝会うのだけれど、来たばかりの頃はあまり愛想もよくなく、業務的に接していたような感じだったのだけど、5日が経過して、私たち親子にもようやく慣れてきたのかな?
フロントの人たちも、今では通るたびに笑顔で、
「ボンジュール、マドモワゼル」
「ボンソワール、マダム」
と話しかけてくれる。嬉しい!
ただ、私はずっと「マドモワゼル」で、パリで「マドモワゼル」は決して
「あなたは若く見えますよ。お嬢さん。」
というような意味ではない。日本では女性に対して実年齢より若く見えるということが褒め言葉のようになっているけれど、この街パリでは女性は成熟してこそ価値があるという観念のため、「マダム」とよばれてようやく女性と認められるのだ。
だから、私に対しての
「ボンジュール、マドモワゼル!」

「こんにちは、おじょうちゃん。ママとおでかけ?」
というニュアンスなのだと思う。
この経験が私の中で「女性たるもの」の価値観を大きく変えた。今まで、やっぱり年齢より若く見えると嬉しいと心のどこかに思いながら日々暮らしていたのだけれど、
フランスから帰った私は、「若く見られて嬉しい」ということに対して本当に気持ちのいいくらいにそう思わなくなった。
そして、年齢を重ねていくことの意味が、全く違うものに変わった。
このお話については、また別のどこかで話せたらと思います。
話を戻して、私はパリで行ってみたいところの一つに「HOTEL COSTE」があって、今日は美術館へ行くまでにここでランチをする予定だった。
「HOTEL COSTE」は、かのジョニーデップがバネッサパラディにここで出会い一目惚れをし、それから一日も離れたくないと思ったという二人の出会いの場所でもあり、フランスのトレンドの仕掛人ジャン・ルイ・コストとホテルのデザインをしているジャックガルシアが手がけたパリで最もお洒落な新鋭ホテルだ。
パリのアーティストや音楽関係者が集まるホテルとしても有名で、バーキン親子、エマニュエルべアールも訪れるとか。
お昼の時間に合わせてホテルに向かった私たち、ドアマンというよりガードマンという言葉が似合う人たちに迎えられ、一歩足を踏み入れたとたん、そのお洒落で素敵なホテルに何となく気後れしてしまった。
光が差し込む中庭を囲むテラス席でのランチ、とても楽しみにしてはいたけれど、
「予約がいっぱいで今日は無理です。」
と断られてしまった。多分私たちが日本人だということがわかったのか、
「それでもせっかく遠くからお越し下さったので、14:00くらいなら、なんとかお席をご用意します。」
と親切にボーギャルソンが言ってくれたのだけれど、何となく気後れした私は、
「ありがとう、また来ます。」
とお礼をいって、ランチを諦めました。
なんといったらいいのか、「ホテルリッツ」のような絢爛豪華で、それなりにドレスアプしていなければ場違いという感じのホテルではなく、ランチをしている他のお客さんも、ジーンズにタンクトップにハイヒールといったカジュアルな格好なのだけれど、
洗練されたお洒落な人たちとホテルという感じで、その雰囲気に気後れしてしまった。
次回パリを訪れたら、絶対ここでランチをしたいと新たな決意を胸に秘め、ホテルを出ました。

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世界的カップルを生んだ、「HOTEL COSTE」

【 またまたチュイルリー公園 】

さて、どこでランチをしようとふらふらしていた私たち、母が
「この間いった公園へいこう!」
というので、私も大賛成してチュイルリー公園の中にあるカフェでランチ。
生ハムのバゲットサンドとシャンパン、母はクロックムッシュとプレッシオン(生ビール)で最高に気楽で気持ちのいい、おいしいランチ。
「やっぱり、ここがいいよねぇ。」
と青空の下、気持ちのよい風が吹き抜けて行く公園で、幸せな気持ちに浸る。
お昼から飲み過ぎると、美術鑑賞に支障をきたすということで、飲み物のおかわりはなし、ソルフェリノ歩道橋を渡り、左岸へ、そして「オルセー美術館」へ向かった。

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パリの3大美術館の一つオルセー美術館、宮殿のイメージで造られたオルセー駅の駅舎を改装して美術館として開館。ゴッホ、ルノワール、モネ等の印象派の作品が多く所蔵されている美術館ですが、私たちの1番の目的は「ミレー」でした。
母の実家は床屋さんで、現在は母の一番上のお兄さんが継いでいます。そのお店の名前が「ミレー」。もちろん、画家ミレーからとったのですが、そのせいか昔からお店や親戚の家でよくミレーの「晩鐘」の絵を良く見ていて、子供ごころながらに何か特別な意味のある絵なんだろうと思っていました。
そして、その「晩鐘」、「落ち穂拾い」がこの「オルセー美術館」にあると知った時、いつかパリへわたしたちのルーツを見に行きたいと思っていたのでした。
館内に入ると、駅のプラットホームにいるような錯覚に陥ります。元々駅だった建物をとてもうまく使い展示物をより美しく見せる工夫がされているなぁと感心しました。
 パリの美術館を見て回るうちに、私は肖像画が少し苦手な事に気がつきました。元々肖像画には、絵に描かれた人の魂と、描いた人のエネルギーが写し取られているのに、さらに見る人たちの気も加わって生き物のような感じがするのです。
あまり長時間見ていると気あたりがしてしまいます。
 私はクリムトが見たかったので、母とわかれお目当ての絵画のあるところに向かいます、すると、初老の紳士な館員さんが
「あなたをここで一番素晴らしい場所に案内しましょう。」
と声をかけてくれたので、ついて行く事に。
言葉が通じない私たちは、館員さんが少し歩いては、振り向き、微笑み合い、また少し歩いては、振り向くを繰り返し、スカレーターを乗り、エレベーターに乗り換え、建物の最上階へ向かいました。
「ここからの眺めを見せたかったのです。」
と館員さんが連れていってくれたのは、オルセー美術館の屋上のテラスでした。館員さんが窓を開けると、スッと外からさわやかな風が入り込んで来て、風の誘う方に目を向けると、セーヌ河とパリの街並。
「どうぞ、ごゆっくり、オルセーを楽しんでください。横にあるカフェも素敵ですよ。」
と館員さんは笑顔でお仕事に戻って行きました。
「また、一つ、素敵な旅のお土産をもらったなぁ。」
と、テラスからの景色にしばし見とれていると、地元に住んでいると思われるボーギャルソンが写真を撮らせてくれ、というので、恥ずかしながらパリの景色と共に、写真におさめてもらった。もう二度と会う事のないだろう彼の思い出の中に、ちょっとだけ参加させてもらいました。
 清々しい気持ちで館内に戻り、オルセーの名所の一つであるカフェを眺めながら、クリムトのある部屋を目指す。途中、ゴッホ、ドガなど美術の教科書で見たオールスターズにいちいち感激しながら、クリムトを見ました。
「夢の中にいるようだ。」
とクリムトの絵を見ると思う。それは色使いなのかもしれないけれど、なぜかそんな気持ちになる。
母とわかれて随分たつので、一階へ戻り、館員さんがテラスを案内してくれたこと、ゴッホやドガ、クリムトの絵の感想などを話しながら、二人で私たちのルーツだと思っているミレーを見にいった。が、
「。。。上海の美術館に貸し出し中だって。。。」
と、なんともがっかりな結果となってしまった。
お目あてだった『落穂拾い』も『晩鐘』も、なんと日本からほど近い上海へ出張中だった。
拍子抜けしたような気持ちで、でもなんだか可笑しいような気持ちになって、
「またの機会だね!」
と二人で笑いながら、オルセー美術館を後にしました。

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駅にいるような錯覚に陥る、オルセー美術館

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館員さんが案内してくれた、テラス

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セーヌから。オルセー美術館

今日のディナーは、近場の意気に入りカフェで食事しようということになっていたので、ホテルに戻り、早めのディナー。
パリは平日でも夕方から人がカフェに集まり始め、遅い時間までお酒を飲んだり、おしゃべりをしたり、夜の時間を楽しんでいる人たちがとても多い。
そして、そのほとんどが大人の人たち。
つくづく大人社会だなぁとうらやましく思い、パリの夜を満喫したのでした。
# by nanayecao | 2009-10-11 05:37 |

Un Français sent 〜 フランスの匂い 〜  7 ( モンサンミッシェル 後編 )

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教会のてっぺんには金色に輝く大天使ミカエルがいました。

急な坂を上り、サンピエール教会を見て、修道院へ到着。
8世紀に建てられた修道院は、歴史的背景により何度か改築されているので、ゴシックとロマネスク様式が入り混じった建物で、そこには大天使ミカエル像が建っている。
聞くところによると、大天使ミカエルは「最後の審判」の時天国へ行くか地獄へ行くかを決める権限を持った大天使で、私は心の中で、
「その時は、お願いします。。。」
と繰り返し、祈ってしまった。
大天使ミカエルが金色に輝いて、静かに私たちを見つめていたが、その顔はかすかに笑っているように見えた。
ミカエルの像を見た後、私はとある彫刻に目を奪われた。その表情が、苦しみとも、悲しみとも、慈悲とも言えず、何だか目が離せなくなってしまった。
こういう所にある彫刻はだいたい穏やかな慈悲に溢れた笑みを浮かべている表情か、逆に罪から逃れる人々や、何かを懇願するような表情のものが多いのだけれど、この彫刻は今まで私がみた事のない表情で、切なくなってしまった。

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色々な国の人と説明を聞く。


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なぜか、目を奪われた、石像。長く足を止めて見入ってしまった。



その像に後ろ髪をひかれる気持ちで、修道院を後にし、中庭や、かつて食料を運ぶ為に囚人に引かせていたという人力車輪、食堂などを見て、島の入り口へ戻る。
見学中、デジタルカメラの充電器を日本に忘れて来てしまったという先ほど仲良くなったカップルの記念写真を撮ったりしながら、一緒に散策していたので、すっかり仲良くなった私たち、
「パリで飲もうよ!」
ということになり、パリに着いたら一緒にディナーをすることになった。


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修道院の中庭、ここで薬草などが栽培され、お薬や、化粧品になるそうです。

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修道院のステンドグラス。修道院なので、イタリアの教会などにある絢爛豪華なものではなく、質素で美しいもの。

島に到着した時は干潮だったけれど、帰る頃には潮が満ちて、周りは海に囲まれていた。
「生涯に一度!」
の夢が実現して大満足でした。


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名残惜しく、いつまでもバスの中から眺めていた。


バスに乗り、再びパリへ。
島から本土へ向かう道路の途中で、小さくなっていくモンサンミッシェルをいつまでも見ていた。
帰りのバスで、携帯電話から日本に居る大切な人たちに写真付きでメールをした。
この感動が時と供に色あせたり、カタチを変える前に、そのままで伝えたかったから。
帰りのバスでは、もうぐっすりで、1時間くらいで着いたように短く感じた。
夜9:00近くというのに、パリは夕暮れの一番美しい時を迎えていて、
エッフェル塔、セーヌ河は金色にきらきらしていて、河を渡る船や、橋で寄り添う恋人達、夕日が映す凱旋門のシルエットを見ていたら、
「これが本当にパリなんだ!」
と、パリの美しさは日常の中にあるんだなぁと心から思って、
観光客である私を少しだけパリが受け入れてくれた気がしました。


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夕焼けに映える、エッフェル塔



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解散した場所の近くのお店の看板犬。私も実家でダルメシアンを飼っているので。


朝、集合した場所で解散した私たちは、ツアーで知り合ったカップルと、チュイルリー公園にほど近いカフェでディナーをした。
お酒に強い彼女と、お酒は強くないけれど、楽しいから飲んでしまった彼、昔から知っている物同士のようにお互いの話をたくさんして、日本に帰ってもまた会おうと約束するくらい仲良くなれ、素晴らしい時間を過ごすことが出来ました。
「旅の醍醐味は出会いだ。」
と私は思っています。日本では出会う事がなかったかもしれない人と、遥か何千キロも離れた異国で偶然出会い、時間や思い出を共有する。
そして、そういう出会いは私の人生の財産になる。お金では買えない尊いもの。
「また日本でね!」
と手を振りとても楽しい気持ちでお別れをした。
おいしいシャンパンとワインをたくさんいただき、良い気分の私と母は、
タクシーに乗らずホテルまでパリの街を千鳥足で歩いた。
光輝く街並、美しい景色を見ながら、母と娘、二人でぐんぐん、腕を組んで歩いた。
どこまでも行けそうな気がした。
あと何回こういう機会に恵まれるだろうと思いながら。
ホテルに到着した私たちは、早朝からの1日の小旅行の美しい思い出を胸に、
言うまでもなくベッドに倒れ込んだのでした。。。


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すごく「いい顔」の二人。モンサンミッシェルで出会った二人です。
# by nanayecao | 2009-08-12 19:41 |

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【 一生に一度はが実現した日。 】

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今朝は、とても早起き。まだ陽が登りきらないうちに身支度をして出かけた。
早朝のパリは、静かで、美しい建物の輪郭が一段と際立って見える。
現地の旅行代理店はチュイルリー公園の近くにあり、集合時間に随分余裕を持って到着した私たちは、その界隈で一番早く店を開けたカフェで、だんだん明るくなっていく街をみながら贅沢な時間を過ごす。
夕暮れと、明け方は、景色を美しくするマジックがあると思う。
旅先で覚えている景色は、有名な観光名所の有名な建造物よりも、どこかで見た夕暮れの街の景色や、明け方の海の景色だったりする。
集合時間がきたので、現地旅行代理店で、手続きをすませ、いざ念願のモンサンミッシェルへ。
日本人とスペイン人の観光客を乗せた、大きな二階建てのバスは、凱旋門、エッフェル塔など、パリの名所を抜け高速に乗り、一路ノルマンディー地方へ。
片道4時間半の長い道のり。
珍しい景色に、はじめはきょろきょろとしていたものの、1時間も走ると農業国フランスらしい、のどかな田園風景が続く。
早起きをしたため、眠気が襲ってきたので、うとうととしていると、あっという間に2時間が過ぎ、休憩のサービスエリアへ到着。
7月といえども、曇りのせいか、随分肌寒く、温かいチョコレートドリンクが飲みたくなる。
飲み物を買っている列に並んでいると、やさしそうなおじさんがにこにこして、飴をくれた。
お連れの女性に話しているのを聞くところによると、どうやら、私を日本から来た子供だと思っているらしい。
海外に来て、知らない人と接することが旅の醍醐味だと常々思っている私は、とても嬉しい気持ちになり、ありったけの笑顔で
「メルシー」
と言った。おじさんは満足げに何度もうなづき、手を振ってくれた。

少し長めの休憩をとった後、バスは再びモンサンミッシェルを目指す。
ガイドさんが、長時間の旅の退屈さをどうにか楽しい時間にするために、モンサンミッシェルにまつわる逸話をして、バスの中の空気を和ませてくれた。
その昔、聖オペール司教が夢で大天使ミカエルのお告げを聞き、修道院を建てたと言われているモンサンミッシェル、その後政治的背景により、牢獄になったりもしたけれど、現在は修道院として存在しているけれど、世界遺産に認定され、1870年に、島と本土をつなぐ道路が出来てからは自由に行き来できるようになり、世界中からその姿を一目見ようと数多くの観光客が訪れている。
「聖オペール司教が夢でお告げを聞いたと言われている家が、この辺りだったそうです。」
とガイドさんが言うので、窓の外を見てみる。なぜだか昔からノルマンディーだとか、ブルターニュだとかいう言葉を聞くと胸が締め付けられるような気持ちになり、
窓の外の景色を見ると、やはり同じ気持ちになる。懐かしいような、恋しいような気持ち。
バスはいよいよ、モンサンミッシェルと本土をつなぐ道路にさしかかり、車内がざわざわとし始める、みんな自然にテンションがあがっているようだ。
周りの景色は、私が思い描いて来た、古き良きフランスがそのままに、というか、のどかな田園風景の中に、かわいらしい赤い屋根の小さな家が並び、窓際には色鮮やかな花が咲いている。そして、とうとう、モンサンミッシェルはその姿を現しました。
テレビや、本や、写真や、本当にたくさんの媒体で見て、
「生涯に一度は見てみたい、行ってみたい!」
思い続けてきたモンサンミッシェルが海の向こう側にあると思うと、
「すごいね、すごいね。」
と自然に言葉が飛び出して来る。
私たちを乗せたバスは、道路を渡り、モンサンミシェルに到着しました。


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対岸から見たモンサンミッシェル。ここからの方が全景を見渡す事が出来、イメージしていたモンサンミッシェルそのものの姿を見る事が出来る。

朝早くパリを出発し、時刻はお昼ご飯の時間。到着してすぐにランチに向かう。
モンサンミッシェルがオムレツ発祥の地だと言う事で、ガイドさんがツアー客を引き連れてお店を案内してくれた。
1テーブル4人席で、私と母は二人で座っていると、新婚旅行らしきカップルが
「こちら、いいですか?」
といって、私たちの前に座った。ここの名物のオムレツの他に、りんごで作ったお酒シードルが振る舞われ、ちょっとお酒が入った私たちは、お互いの家族構成、なぜこのツアーに参加したのか、そして住んでいるのが三重県で、私たちの住む名古屋と近い事等話し合い、食事が終わる頃にはすっかり意気投合してしまった。
肝心の名物「オムレツ」は、感動的な美味しさという訳ではなかったけれど、旅の途中での出会いに嬉しい気持ちになる。

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オムレツ発祥のお店の看板。私たちがいただいたのはここのオムレツではありませんでした。


食事を終え、巡礼島の散策へ出発。島の入り口にある重々しい「王の門」が私たちを出迎えてくれた。その昔、侵入者、脱獄者を許さなかったであろう跳ね橋は、モンサンミッシェルの長い歴史をここでずっと見て来たのだろう。
修道院へ向かう道はホテルや、レストラン、お土産屋さんがひしめき合って立ち並び、たくさんの観光客で賑わっている。お店とお店の間には、人が3人並べるかどうかの細い道が、修道院まで続いている。


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中世ヨーロッパンの街並を色濃く残す場所。お店の看板がとてもかわいい!
# by nanayecao | 2009-08-11 22:36 |

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すっかりおなじみ、大好きな部屋の窓の景色


【 パリ祭 】
今日のパリは独立記念の日で、日本でいう「パリ祭」で国民の休日の為、パリ中がお休みで、お祭り。
パリでは「Fête Nationale」というのだそう。
朝、ホテルの窓を開けたら前の通りをカッコイイ警備服を着た男の子達がたくさんいた。
テレビをつけて見ると、どこのチャンネルも式典の模様が映されている。
聞くところによると、一年で一番パリに世界のVIPが集まる日だそうで、
言われてみたら、昨日ルーブル美術館で、数人のSPに囲まれた、いかにもVIPらしき人たちを見かけた。
「サルコジ大統領やカーラブルーニ婦人に会えるかも!」
とミーハーな気持ちがむくむくと沸き起こるのを押さえ、今日もお店はどこもお休みなので、メトロでセーヌ左岸地区へ行く事にした。
パリのメトロはとても便利、でも、日本のようにエレベーターやエスカレーターが完備という訳ではないので、年配の方達にとったら、階段の上り下りは少しきついかもしれない。
それでもメトロの駅は、駅ごとに個性のあるつくりになっていて、ここにも芸術の国フランスの神髄を見る事が出来る。
メトロで初めての駅に降りるたびに、
「この駅はどんなつくりなんだろう?」
と、パリ滞在中の私の楽しみの一つでもありました

【 サンジェルマンデプレ教会 】
ホテルの近くにある駅「リシュリュウ・ドゥルーオ」からメトロを乗り継ぎ、セーヌ左岸のサンジェルマンデプレ界隈へ。
パリはセーヌ河を間にはさみ、左岸と右岸に分けられ、街並や、住む人たちの雰囲気が少し違っています。
左岸は私がイメージしていた、古き良きパリの面影を残す、芸術家が多く住む街で、
大好きなシャルロットゲンズブールや、ジェーンバーキンが現在も住んでいる憧れの街でもあります。
世界で一番古いデパートとされている「ボンマルシェ」や、かのピカソや文豪カミュが足繁く通ったカフェ「フロール」など、パリを訪れたら必ず行ってみたいと思っていた場所がたくさんあります。

メトロを降りてすぐの所に、サンジェルマンデプレ教会があります。
パリで最も古いロマネスク教会で、サンジェルマン界隈でシンボルともいえる場所です。
私たちを含む観光客がたくさんいて、教会の外観やスナップ写真を撮っている人たちで混み合っていました。
中に入ると、教会独特のスッとした空気感が私たちを迎えてくれました。
ひんやりした静謐さに厳かな気持ちになります。
こんなとき、
「神様はいるんだなぁ。」
といつも思います。
特に信仰しているものがない母と私、それでも、教会の椅子に座って、
何を祈る訳でもなく正面のステンドグラスを見ながら、しばしその場所の清らかさを感じていました。


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サンジェルマンデプレ教会

【 老舗の傘屋さんのマダム 】
教会を後にして、リュ・デュ・バックの駅の方に向かって歩き出した私たち、信号を渡るとそこに、「レ・ドゥ・マゴ」と「カフェ・ドゥ・フロール」が軒を連ねています。
ピカソ、カミュ、サルトルなどの芸術家から、大スタージョニーデップをも魅了するカフェですが、店先には美しい花が咲き、歴史を感じさせる佇まいの素敵なお店で、
どちらかに入ろうとしたのですが、人気のあまり、とても混んでいたので、写真だけ撮らせてもらいました。
カフェを越え、しばらく歩くと祝日というのに開いているお店を見つけました。
かわいい雑貨、香水などが置いてあるお店で、おみやげにいいなぁと思い、お買い物。
フランスらしいモチーフと甘い色合いの刺繍が施されているきんちゃくを妹たちに、
そして、私と母もお揃いで。
母がひとめぼれして、清水の舞台から飛び降りる勢いで買った刺繍のコート、店員さんは親切に接客してくださって、母に
「このコートはあなたが買ってくれるのをこのお店でずっと待っていたのです。」
と嬉しくなるような言葉をいってくださり、(母は意味が解っていなかったので、残念ですが。)私たちのたくさんのパフュームのサンプルとお店のオリジナルのショッピングバッグを二つお土産にくれました。
「いいお店だったね。」
と、パリで初めてといえるお買い物に気持ちが踊る。
ベンチで少し休憩して、私がぜひ行ってみたかった傘屋さん「ALEXANDRA SOJFER」へ。パリで最も有名な傘屋さんといっても過言ではないほど、老舗の素敵な傘屋さん。
映画「シェルブールの雨傘」でも登場した、由緒正しきお店なのです。
ショーウインドウを覗いて、そのディスプレイの美しさに、思わずため息!
傘屋さんなのに、まるでジュエリーショップのよう。
どきどきしながら、お店に足を踏み入れると、店中所狭しと、傘の花、花、花。
「ボンジュール、マドモワゼル!」
とお店のオーナーらしきマダムが笑顔で話しかけてくれました。
私はつたない英語で、日本のテレビでこのお店を見て以来、パリに来たら必ずこのお店に来たかった事を伝えたら、
「メルシー、メルシー」
と握手してくださり、お店の奥へと案内してくれた。
とにかく、日本の傘の概念を覆すべく、芸術品ともいえる傘ばかり。
繊細なレース、色使い。
どれもこれも、素晴らしくて、でも、日常使いには少しもったいないようなものばかり、
その中で、私にも使えそうな折りたたみの傘を買う事にしました。
帰りがけ、
「クリスマスにカードを送りたいから住所を教えてください。」
と母に顧客名簿を差し出していました。
「ボン、ボヤージュ。」
といって送りだしてくれたマダムは、フューシャピンクのスーツに、銀髪が美しい、素敵な女性で、お店の傘の中で、ひと際鮮やかなマダムの姿が、私の中に鮮明に刻まれています。
フランスは、便利さや、間に合わせで物を買ったりしないと聞いていました。
確かに、このお店の傘は、お値段も、デザインも、間に合わせでは絶対に買う事が出来ないものだし、もし買う事ができても、傘の方が持つ人を選ぶと思うのです。
きっとパリの人たちは幼い頃からそうやって、オシャレや、個性を身につけて、いつか物に負けない自分だけの存在感を作り上げていくのでしょう。

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「カフェ・ドゥ・フロール」

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「レ・ドゥ・マゴ」

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素敵なマダムが経営する老舗の傘屋さん「ALEXANDRA SOJFER」。


駅の近くにあるモノプリでお買い物と、簡単なお昼を食べて、シテ島にある「ノートルダム寺院」を目指します。
「次回、パリにくる事が会ったら、今度はサンジェルマンデプレに滞在したい!」
と強く思うほど、素敵な所でした。

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サンジェルマンデプレのメトロの駅




【 ノートルダムの、鐘。】
サンジェルマンデプレからメトロ7号線で、シテ島で下車。
階段を上るとそこに、世界遺産「ノートルダム大聖堂」がありました。
ディズニーの映画「ノートルダムの鐘」でも有名な、200年の歳月を費やして建てられた、初期のゴシック様式の寺院です。かのジャンヌ・ダルクの「名誉回復裁判」が行われたといわれ、数々の歴史の舞台になっていて、バラ窓のステンドグラスが有名です。
私は、以前クレールデュニ監督の映画「ガーゴイル」で、ノートルダム寺院にある怪物の彫刻を見て興味を持ち、バラ窓より、ガーゴイルを見るのを楽しみにしていました。
建物の屋根に鎮座する色々な種類の怪物、雨樋の役目だということですが、何世紀にも渡り、移り行くパリの景色をじっと見守って来たかのように思えるその姿を興味深く見る。寺院の外壁にそって歩き、寺院の全景をゆっくり見て回りました。
セーヌ河にかかるノートルダム橋の上で写真を撮ろうとした時、
時刻を知らせる鐘が響きわたりました。
「ノートルダムの鐘だ!」
本当に、鐘の音が聞けると思っていなかった私は、嬉しいサプライズに、なんだか胸がすく想いがして、じんとしてしまった。
青い空、低い位置で緩やかに流れ行く白い雲、そして、その向こう側にノートルダム大聖堂。
「どの場面でも、本当に絵になるなぁ。」
としみじみパリの美しさに感心させられる、私でした。


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ノートルダム大聖堂

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ノートルダム橋からの景色、空と河の風景が印象的でした。



ノートルダム橋を渡り、右岸に戻った私たち、早めにホテルに戻り、近くで見つけたチャイニーズレストランでパリにいて、アジアの味を堪能しようとお店に行きました。
お店はホテルから歩いて5分の所にある、中国の方が経営する小さなお店。
それにしても、チャイニーズレストランって、世界各国、どこにでもあって、どこもだいたい美味しいからすごいと思ってしまう。
食事を済ませたら、お気に入りのカフェでシャンパンでも、と思っていたのですが、
一日歩き回ったのと、お店で注文したワインが、なんとデキャンタでやって来たため、
すっかり良い気分になり、そのままホテルへ戻りました。
今日は、独立記念のイベントで空に国旗の3色の飛行機雲が見えたり、フランスの記念日に立ち合う事も出来、充実した一日でした。



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母と私の影。似てるかしら?

明日は、今回の旅のメインの一つでもある、モンサンミッシェルへ日帰りの旅。
明日に備えて、早めにおやすみなさい。
# by nanayecao | 2009-07-05 23:11 |